2007年09月10日

一号の発作 その03

次の日、早速血液検査に一号を連れて行きました


FIPとトキソプラズマの検査は、院外で行うらしく、結果が出るまで時間がかかるという事でしたが、尿酸値等の分析結果はあっという間に出ました



結果、ほとんど全ての数値が、正常値

腎不全のような内臓疾患の可能性は、無くなりました

更に先生は、
「もしFIPならば、この数値に異常が現われるはずなので、FIPの可能性も、ほとんど無いと思います」と、言って下さいました



よかった〜〜〜〜!!


張り詰めていた気持ちが一気に緩んで、途端にお腹がすいてきました


トキソプラズマならば、投薬で治る


しかし、もしトキソプラズマでも無かったならば、一号を大学病院に送ってMRIを撮ってもらわなければならないのでは・・・?




その疑問に、先生はこうおっしゃっていました

今、一号の瞳孔反射を見てみたり、反応や認識能力を見る限り、脳腫瘍や水頭症があるとはとても思えない
通常、大学病院に送られてくる猫で、実際に脳疾患がある猫は、こんなものでは済まない(もっと重傷)
恐らく、MRIを撮っても、何も出てこないだろう




それでは、真性てんかんなのか・・?

猫に真性てんかんはほとんど無いというけれど、一号はそのケースなのか・・?

その問いに、先生はこう答えました


「わかりません。
本当は、私たちが知っている動物の事なんて、ほんの一部なんですよ」




一号は、真性てんかんかもしれず、そうでないかもしれない

てんかんを起こした後、MRIを撮っても何も解らず、そのまま十年以上生きた猫もいる、とのこと


いつかまた、一号がてんかんを起こせば、その起こす間隔によって、治療法を検討するべきで、
今の段階では、MRIを撮るための全身麻酔の方が、リスクが大きいというのです


MRIを撮るためには、じっとしていて貰わなければなりません
動物にじっとしていろと言っても無理なので、全身麻酔をかける事になるのですが、
これは、思いの外危険な事で・・・

場合によっては、今、安定している一号の症状をかえって悪化させ、てんかんが頻発するようになる可能性の方が大きいのだそうです


ようは、動物の臨床医学は、「この子は○○病」と病名を探す事ではなく、考えられるリスクを回避することだ
と説明されました





確かに、そうなのかもしれません

ペットのために出来るだけの事をしてやる・・ということは、そういうことなのかもしれません




遺伝的要因が考えられないか?と
以前、三号が腰が立たなくなった件を話してみると・・・

「それは恐らく遺伝的な問題では無いと思う
また、原因がクロミカルム錠であった可能性も低い
原因として一番大きいのはワクチンの方」とのこと

ワクチンで、脊髄に炎症を起こした例があると、報告で読んだ事があるそうです
その場合、レントゲンに出ない可能性が高いと・・


「ワクチンは一年目の時は大丈夫だったんですが・・」というと

「二回目の方が危ないんですよ。スズメバチに二回刺されると死ぬということを知っていますか?」と答えました


人がスズメバチに一度刺されると、体の中に抗体が出来ます
二回目に刺された時は、この抗体が過剰反応(アレルギー)を起こしアナフィラキシーショックというショック症状で、死んでしまう事が少なくないのです

ワクチンも同じ事が言えるというわけです


「だからその子(三号)は、もう室内飼いで外に出ないならば、これ以上ワクチンは打たない方がいいですよ。
前回は運良く直ったけれど、今度は直らないという事もあり得ますから」


ワクチンを打たないリスクより、打つリスクの方が高いというわけです


ペットを飼っていると、ついワクチンは必ず打たなければならないもの・・と考えがちですが、リスクの高さから考えれば、回避するべき事だと得心がいきました




つい数日前、FIPとトキソプラズマの検査結果が出て、両方とも陰性で、治療の必要は無くなりました



結局一号のてんかんの原因はわからずに終わりましたが、あれから一号は徐々に元気を取り戻し、今はねこじゃらしにジャンプして飛びついています


今回の件で、ペットロスについて、安楽死についての問題を、眼前につきつきられ、体験させられました



願わくば、一号にこれ以上のてんかん発作が出ませんように・・


また、病気でなくとも、一緒に過ごせる時間は無限ではありません
精一杯、悔いの無いよう、可愛がっていこうと思っています


     一号の発作 完







うちの猫にも一匹てんかん持ちのが居ます。
東大農学部の研究所まで行って診断してもらいましたが、結局原因は発見できず……
今は抗てんかん剤を飲む毎日です。


マットさん、コメントありがとうございます


抗てんかん剤を飲んでいるという事は、発作間隔が一ヶ月より短くなってしまったということですね

大変ですね、お気持ちは凄くよく解ります



今回二人の臨床獣医師に聞いてみて、やはり、私達のようにてんかんを起こした猫が、まだ生きていられる確率は、そうとう低いようです


うちの一号がこれからどうなっていくのか解りませんが、折角FIPも内臓疾患も出なかった体、
大切に可愛がっていきたいと思います


MRIについてですが、最初に行った救急病院の獣医師も
「MRIを撮ってもねぇ・・・」と、微妙な発言をしていました

そのニュアンスは、「撮って何もでてこない場合もあるし、出てきても何も出来ないケースがほとんど」といった感じでした

「実際私も、脳腫瘍の猫の手術に加わった事がありますが、助かりませんでした。
まぁ、飼い主さんがそれを望めば、手術しないことも無いんですが、本当のところ・・・」
と仰っていました


可能性が1パーセントでもあれば、それに賭けてみたいと思うのが飼い主の人情ですが、僕がそういう決断をするかどうかは解りません

また、日本の獣医学は遅れているとよく言われますが、それを責めても嘆いても、どうする事も出来ません


今現在、辛い決断を迫られている人達も、きっと大勢いると思います

願わくば、それが例え他人から見て非情な選択だったとしても、後悔しない結論を出して頂きたいと思います






posted by にくきゅうファイター at 21:34| Comment(1) | TrackBack(0) | 猫話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
とりあえず、原因は分からない様ですが、大事に至らなくて良かったですね。

うちも、4年一緒にいたネコが、4月に亡くなりました。
野良だったので年は分かりませんが、うちのは尿路結石を繰り返していたので、おそらく腎臓が悪かったんだと思います。

2匹いたネコが1匹になってしまい、いつもじゃれあっていた姿を見ることが出来なくなって、寂しくてしょうがなかったです。

きっと、残された1匹も寂しかっただろうなと思います。
今は、新しいチビが縁あってうちの子になり、また2匹になりましたが。

ペットの死は本当に辛いです。
でも、一緒に生きている間はたくさんの幸せをくれます。
その幸せを噛み締めて、たくさんたくさん愛したいと思いました。

すみません、読んでて色々思い出してしまい、つい書かずにはいられなくなってしまいました(^^;;

3匹とも長生きして欲しいですねvvv
お大事にして下さい。
Posted by みう at 2007年09月14日 10:28
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